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ンションは10年程度で、マンション塗装工事(大規模修繕工事)が計画、実施されます。アパートやビルの塗装でもほぼ同程度で修繕工事が行われます。マンション塗装は建物を適切に維持するためにとても重要ですが、管理組合様やオーナー様としては大きな負担となります。マンション塗装工事を行う場合、今まではマンションの管理会社へ工事を任せていたケースが多いようですが、塗装工事の費用や内容について「本当に適切な価格、工事がされているの?」と不透明感を感じることが多くなってきています。
つまり、工事会社選びも管理会社に任せっきりで費用が不透明なままでは、次の10年後の修繕までに貯まる積立金にも大きく影響してくるということです。
最近は、建築士に計画、工事管理を任せ施工会社に塗装工事を行ってもらう「設計管理方式」や、施工会社に管理から塗装工事までを全て行ってもらう「責任施工方式」で、費用を低く抑えるケースが増えています。
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管理会社主導方式は、全てをマンション管理会社に任せて工事を行う方式です。
全て任せきりて楽になる反面、適切な費用や工事がされているか見えづらくなるデメリットがあります。
管理会社を通して施工会社に依頼するため、ムダを省いた工事をしたい場合にはおすすめできない方式です。
管理会社1社だけに見積りを依頼した場合など、管理会社のマージンが上乗せされるため、多くは施工会社に直接依頼した場合の1.5倍~2倍の価格になります。 -
設計管理方式は、設計事務所などのマンションの構造等に精通している建築士に、計画段階では工事に係わる専門的な部分を依頼し、工事段階では工事監理を依頼する方式です。
第三者として公正な立場で施工の点検が期待できるので、しっかりとした設計士に依頼すれば、塗装工事を安心して進められます。しかし、設計士の力量が問われるため、全てを任せきりにするのも危険で、特に施工の実務などを把握していない場合は上手く工事が進まないことも考えられます。
また、計画段階で設計士主導の施工会社選定を行う場合、不適切な価格競争が行われる可能性もあるため注意が必要です。
設計管理費用として塗装工事金額の20%程度の費用が追加費用としてかかることも忘れてはいけません。 -
施工会社を特注で決めたり、あるいは何社かの相見積り(入札)によって決定して工事から管理まで全て施工会社で行う方式です。
設計管理費用などがかからないのでムダを省いた工事ができるため、通常は費用を低く抑えることができます。
ただし、専門的な第三者による点検がないため、結果的に安易な工事になることもあり、それによって結局割高になることもあります。
全て施工会社の力量次第になるため、今までの実績や会社の姿勢を見極めることが大切になります。
では、管理組合様やオーナー様にとって大きな負担となるマンション塗装工事で、間違いのない塗装工事会社を選ぶにはどうすれば良いでしょうか?
私たちが考える塗装工事会社選定のポイントは『相見積り』です。
特に一番のポイントとなるのは、上記の[(1)管理会社主導方式]や[(2)設計管理方式]である管理会社や設計士主導の相見積り(入札)に、[(3)責任施工方式]の管理組合様、オーナー様が直接選定した施工会社の見積りを数社入れてみることです。管理会社や設計士主導の相見積りの場合、不適切な価格競争が行われる可能性があるため、どうしても本当の価格が見えなくなってしまいます。
これに管理組合様が直接選定した施工会社からの相見積りを加えることで本当の価格が見えてきます。
管理会社や設計士主導で施工会社を選定する場合は、修繕計画・管理の設計内容を事前に提示してもらい、それを元にして直接選定した施工会社に見積りを依頼するのがよいと思います。
こうした手間をかけることで工事期間が先にずれてしまうことなども考えられますが、何百、何千万円もの大きな負担を伴うマンション塗装工事ですので、管理組合様、オーナー様が直接選定した[責任施工方式]の施工会社を相見積りに入れて本当の価格を見極め、適正な価格でマンション塗装の実績のある塗装工事会社を選びましょう。
数ヶ月、工事が先延ばしになってもマンションが大きく劣化することはありません。価格も工事内容もしっかり納得してから依頼するようにしましょう。